西加奈子さんの「くもをさがす」を読んだ。
（「くもをさがす」は西加奈子さんがカナダで乳がんになり両胸切除したときのエッセイです）
本に書いてあったようにカナダでは自分の身体のボスは自分自身として
意識していないといけません。
ここ日本では本人が私みたいにのほほんとしていても
治療はオートマティックに進んでいきます。
はい、次ここ行って次はこう、という感じで
ボケっとしていても治療をしてくれます。
一方カナダでは自己主張しないと治療に支障がでます。
ひー。私には無理だわ。
この日本のいたれりつくせりな治療は西さんのお話しを耳にする前に自分でも
あれって感じていたので
それが文章化されてたのでおおってなりました。
私個人としてはその選択肢はないけど
例えば抗がん剤したくない！って人もおられますよね。
自分で自分の身体に責任を持っていなきゃ拒否は出来ないですよね、
すごいことだと思います。
私はそっかー、これしなきゃ（抗がん剤）専門家からみたらやばそうだからやっとくかー、的な受け身感満載で抗がん剤も受けてきました。
分子標的薬もかなりオプション的な治療ですが
提案していただいたので
あ、じゃ、それも...的な感じで経済的にゆるす状態だったからやっただけ。
経済的に無理だったらものすごく悩んだりしたんだろう。
たった数パーセントの上乗せでも貴重だとは思うので
まあ今は副作用もあるのでそれとの兼ね合いもあるかとちょっと考えも変わってきたけれども。
だから私は本当に日本にいて良かったという性格なんだなって思います。
カナダにいたら死んでます。
逆に突き放され過ぎてやる気に満ち満ちるかもしれないけど。
日本にいてサービス満載の治療を受けているせいで
まだ自分の病気と完全には向き合っていないんじゃないのかな、と思った。
向き合っていたらもっと深刻になるかな？？
「くもをさがす」で西さんがむこうの看護師さんがみんな明るいと書いていて
それが良いのか悪いのかは人によるなぁと私は思った。
そんなにあっけらかんと扱わないで！って受け取る人もいると思うし
逆に気楽になる人もいるかなぁ。
私だったら、明るい方がいいかなって思ったのは
術後の下着について知りたかっただけなのに
（顔は笑ってるけど）深刻な感じを醸し出してる
臨床心理士さんと会ったときに感じたかも。
わかりますわかります、不安ですよねーって顔してて
私は不安だったけど、臨床心理士さんの助けを借りるほどではなかったので
少し違和感は感じてた。
こんな雰囲気になるほどに自分の病状は悪いってこと？ってかえって不安になるわ。（笑）
この臨床心理士さん以外の看護師さんは
普通に接してくれるので
普通がいい！それでいい！
再建に関しては治療ではなくオプション的なものなのですが
決めるにはかなり悩みました。
あんなに悩んだのは初めてというくらい。
当時を振り返るとがんそのものというより
再建の手術がこわくてたまらなかったなぁ。
手術が失敗してそれで死んでしまうかもという恐怖があった。
（なのに再建をしないという選択にはならなかったのが不思議）
術後全身麻酔から醒めないのではないかとか
心配していた。
（がんに対しては手術で取れるだろうと楽観していた）
今は過ぎてしまったことだから
やって良かったとは思っているけど
再建しない、という選択肢もあったとは思う。
胸がなくても大丈夫そう。
あと大事なネタバレ含むのでこれから「くもをさがす」を読むよって方、ネタバレしたくない方、このあと読まないでください。
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西さんが最後の章で「美しい瞬間」については誰にも教えたくないと書いていて
ほー。と思った。
私にも「美しい瞬間」があったかと思い返してみると
既にこのブログに書いていることだった。
いつの記事だったかは忘れましたけど
それは旦那が私に先に死んでもいいよって言ってくれたことだった。
とにかく私が先に死ぬことを絶対に認めない！
そんなことがあるならその瞬間の直前に自死する！と言いまくっていた人だったので
あ...看取ってもらえるんだ、と私はとっても嬉しくてたまらなかった。
旦那をおいて先に死んでしまうと心配すぎるからできることなら私が旦那を看取りたい。
失ってしまうつらさや悲しさを旦那に味合わせてしまうくらいなら私が看取って大変な死後のもろもろを担う！と思っていた。
でも先に死んでもいいよって言葉はまるごと私自身を受け止めてもらえた気がして深くこころに残った出来事だった。
これが乳がんになって私の一番「美しい瞬間」だったんじゃないかなぁ。
いわゆる「美しい話」ではないけれど
このことと引き換えに乳がんになったといわれても納得いくくらいに私は嬉しかった。
なんとなく生活してたけど
ある日突然乳がんがわかって
それから夫婦は少し変わったように思う。
結構進んだ状態で見つかって
今は飲み薬飲んでるだけで落ち着いていますけど
命の危機を感じたりした。
だから限りがあるんだってことが実感できて
それまでもあったけど
それ以上に思いやりが生まれた気がする。
でもそんな状態なのに
相変わらず痩せも出来ず
食事も身体に超気をつけているかっていうと
それも疑問で大丈夫か？私、って感じですけど
なんかやる気が起きないんですよね...
そんなこと言ってる場合ではないんですがなんかダメ。
ああ、また無駄に1日過ごしてしまった！という日が多い。
まあ無意味な日々が貴重なんだけどね。
時が過ぎるのが早いです。
あと4日後にまた乳腺の外来です。
その時に最近の副作用の疲労感についてアピールしてこようと思います。
（たぶんだからといってなにもしてくれないと思うけど...）
1日にひとつだけしか予定を入れないようにしてます。
帰り道に買い物、っていうのもちょっと避けたいくらい体力がない。
特にジムの帰り。
今は10分に減り、5分に減り...って感じです。
運動後のシャワーも浴びちゃうと立ってるのがやっと、という状態になってしまうので
身体が冷えるけど着替えだけして帰ってます。
帰ってきて家でお風呂入るも
血圧がかなり下がってしまうくらいヘロヘロに。
（またヘロヘロ状態のときに興味から血圧測ったら65/45）
なるべく旦那が家にいるときにお風呂に入るようにしてます。
今日は一日家に居たから体力残ってる感じがあったから一人の時にお風呂入ったけど。
次回外来あたりから病院の間隔月イチに変わるかな？？
楽しみです(^^)
